意味深
先日、職場である工場のオペレーターが、妙に神妙な顔をして、お願いがあるんやけどええか、と言ってきた。
普段、彼は陽気で冗談ばっかり言ってる(といっても、訛りがきつくて半分以上聞き取れないんだけれど)。顔を合わせる度、息子たちはどうしてる?と聞いてくれる、なかなかいい青年。
そんな彼がやけに心配そうに、静かに聞いてきたもんだから、ええよっと答えつつも、どんな深刻なお願いなのかと、こっちも心配になった。
すると、彼は自分の手を私の前に差し出した。
「これ、なんて書いてるん??」
彼の親指と人差し指の間の手の甲。そこには、タトゥーが彫られていた。ちなみにこちらでは、老若男女、仕事問わずタトゥーがある人が多い。
で、その彼のタトゥー。漢字らしき文字が。
その意味を知りたい、というのが彼のお願いだった。
っていうか、意味知らんと彫ったんかい。と思わずツッコんでしまう。
見ると、やけに幅広くて2文字に見えなくもないけど、その文字は”妹”。
これまた、何でやねんと思いつつ、心配そうな彼に意味を教えてあげた。
どう反応するかと思ったら、ホッとしたようで「よかった、変な意味やったらどうしようかと思った」と、笑顔で言った。
いや、それ、彫る前に調べた方がよくね?マジックの落書きじゃないんやし。
彫師も客も、中国人でも日本人でもなく、形で漢字を選ぶので意味はお互い知らないらしい。
確かに、日本の海水浴場で外国人が胸に”風呂場”ってタトゥーしてたのを見たことがあるし、フットボール選手が、何故それを、と思う文字のタトゥーをしてたりする。
日本でも、変な英語のTシャツ着てたりするけど、Tシャツとタトゥーはわけが違う。
知らないってこわい。